NEWS2023.12.27

訪日中のOZイタリア本社Saretta GMにインタビュー【OZ】

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日本はグローバルでも5番目の重要なマーケットです(Saretta氏)

2023年12月某日、OZ Japanの内山代表からお声がけいただき、本国イタリアのGMが訪日しているということで、インタビューの機会を与えてもらった。FesTricoプロデューサーの私、コロナ禍前の2018年にイタリアへ行き、本社を見学・取材させていただいたご縁があり、OZにはとても思い入れが深い。今回は、日本のマーケットや今後のビジョンなどを、Eros Saretta氏に聞いてみた。

o.z. S.p.A General Manager Eros Saretta

(FesTricoプロデューサー:以下、F)ようこそ、日本へ。今回はどのような目的で訪日されたのでしょうか?

(OZ General Manager Eros Saretta氏:以下、GM)日本へは、定期的に訪れているんです。日本国内の重要なビジネスパートナー様を巡って、意見交換したり交流を深めながら、OZとして次のステップに向けて準備しています。

今回はとくに、Gazoo Racingとのコラボで実現したラリーレプリカモデル「スーパーツーリズモTGR-WRT」の発売も決定したばかりのタイミングなので、TOYOTAの関係者とも打ち合わせできました。このコラボも、OZ Japan内山さんの発案から実現したもので、とにかく日本発信のオファーがたくさん増えているので、嬉しいですね。とても充実した訪日になっています。

(F)TGRの件もそうですが、積極的に日本から企画が立ち上がることを、どのように感じていますか?

(GM)OZにとって、グローバルで見て日本は5番目の規模のマーケットになります。ヨーロッパの企業が、このように日本市場へ進出できているのも、実は簡単なことではないので、高いプライオリティを持って取り組んでいますよ。

70カ国ほどにホイールを輸出していますが、マーケットの規模だけではなく、日本独自の流行が存在したりするのも興味深いですね。

イタリアのOZ本社

(F)COVID-19の影響で訪日できない時期もあったと思いますが、コロナ前と変わった印象はありますか?

(GM)日本は元々マスクを着用している方が多いですよね? 花粉症対策とか。なので、そこはコロナ禍と変わらない気もしますが、ほぼ生活はノーマルに戻っているように感じますね。

そのほか、ロシア・ウクライナ間の問題とかも絡んで原材料や光熱費が高騰したり、日本は為替レートが悪くなったりと、逆境となる部分も多いようですね。

(F)イタリア本国からの輸出状況・環境はどのようになっていますか?

(GM)コロナ禍では、船がない、コンテナがない、運賃が高騰するといった最悪な状態でしたが、現在はだいぶ落ち着いてきました。

(F)世界的に電動化の波が押し寄せていますが、イタリアのEV普及は進んでいますか?

FIAT 600e

(GM)ヨーロッパ内では、もっとも遅れているのがイタリアだと思います。普及率は5%程度と聞いています。これはドイツやスカンジナビアなどに比べると、かなり低い数字なんです。やはりイタリアはクルマ好きが多いので、まだまだエンジン車やマニュアル車のシェアが高いのだと思います。

(F)ところでEVでもホイールは付いているので、そこをカスタマイズするという需要は存続しますよね?

(GM)実際のところ、電動化で消滅してしまうパーツもありますからね。そこはホイールメーカーとしては対応していけるジャンルなので助かりました。OZではすでに「スーパーツーリズモAERO-e」といったシリーズも好評をいただいていますし、今後EVを意識したモデルも出てくると思います。「電費」アップに効くような、空気抵抗の少ないクローズドデザインが増えるかもしれませんね。

SuperTurismo Aero-e

また、EVは抵抗を少なくするために、細いタイヤ幅を細いリム幅のホイールに履かせることが多い。つまり、1本あたりにかかる荷重(=負担)が大きくなるんですね。ですからEVにおけるホイール選びでは、耐荷重性能も求められるようになっていくと思います。

(注:OZ Japan内山代表に聞いたところ、OZホイールの耐荷重は日本の基準よりも厳しい世界基準をクリアしているので、EVでも心配がないとのこと)

(F)ご承知のように、日本には多くのOZファンがいます。これを本国のOZはどのように認識されていますか?

(GM)日本の方は、イタリアの文化・料理を好まれる傾向のようですね。同じように、イタリアンブランドとして活動しているOZの商品が愛されていることはとても嬉しいです。

(F)日本のフィアット&アバルトファンにもOZブランドは浸透しています。

(GM)アバルトに純正採用されたり、アセットコルサのようなレースに採用されたという効果も大きいのでしょう。

ABARTH695 biposto

ASSETOCORSE

(F)OZとして、今後の予定を教えてください。

(GM)2024年に、いくつかNEWデザインを発表する予定ではありますが、現時点ではお知らせする段階にないのが残念です。

OZ Japan内山代表とOZのGM Eros Saretta氏

(F)最後にプライベートな質問を(笑)。日本で好きな場所はどこですか?

(GM)東京、そして京都。日本には何十回も来ているのですが、実は忙しく移動ばかりで、あまりプライベートな時間がないんです。新幹線と飛行機にいる時間が長いです(笑)

本当は「温泉」でゆっくりしたいのですが、内山さんからは「温泉行くなら泊まりですよ。もっと長く滞在しないとダメですね」と言われています(笑)

(F)好きな日本料理はありますか?

(GM)寿司、刺身、天ぷら、そば。イタリアにも日本料理店はありますが、あんまり美味しくない。やはり日本で味わうのとは違いますね。

(F)ご協力ありがとうございました。また私もイタリアへ行けるチャンスが来るのを楽しみにしています。

<聞き手:FesTricoプロデューサー 川西わたる>

<OZ Japan>
https://www.ozracing.com/jp/