ECU&サブコンチューン特集①【アバルトマガジンvol.2】

アバルトマガジン

現代のクルマを司る“コンピュータ”のチューニングについて考える

アバルト595のターボパワーをさらに引き上げることができる「コンピュータチューニング」とは、いったいどんなことをやっているのか? ここではノーマルECUの役割や機能を説明しながら、コンピュータチューンの代表である「ECUチューン」と「サブコンチューン」に関して、事前に知っておきたい「チューニングのツボ」について解説していこう

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欧州車のコンパクトモデルにはターボ仕様が多く、チューニングのベース車両として人気が高まっている。その理由のひとつが「コンピュータチューニングでパワーアップしやすい」というものだ

アバルトのECUは「トルクベース制御」というエンジン制御システムを採用している。これは、目標トルクをエンジンの稼働条件ごとにマップ化し、アクセル開度やブースト値の大きさから「ドライバーが要求するトルク」を演算。そのトルクに速やかに達するよう、燃料噴射量や点火時期を最適化するというプログラムだ。だから、「アクセルが素早く踏み込まれてブーストが高まると、よりパワーを出そうとする」という、セッティング上の特性が強いのだ。アフターマーケットのECUやサブコンのチューニングでは、目標トルクの上限値やブーストの上限値を変更し、パワーやトルクだけでなく、過渡特性も含めてベストとなるセッティングを目指すというわけだ。

ターボ仕様のトルクベース制御プログラムでは、ブースト圧の検知や制御が重要となる。アバルトはマップセンサー(負圧/正圧)とブーストセンサー(正圧のみ)を制御に使用している

Engine control unit tuning(ECUチューニング)

パワーアップを目指すECUチュ ーンでは、ノーマルの制御方式であるトルクベース制御を生かすため、要求される「リクエストトルク」の最大値を引き上げる。また、ブ ーストも同様に最大値を引き上げてリミッター枠を拡大し、マップも変更する。燃料噴射量や点火時期のマップはトルクマップの変更によって調整が必要になった部分だけを増減する。吸排気系のチュ ーニングだけでなく、インジェクタ ーやフューエルポンプが変更されている場合は、マップの多くの部分を再構築する。

Subcomputer tuning(サブコンチューニング)

ノーマルECUに手を加えず、アドオンする形で装着されるのがサブコンピュータ(サブコン)だ。 ECUがインジェクターや点火コイルに送る信号をコントロールするというシステムだ。 サブコンには大きく分けて2タイプあって、ひとつは独自のマップを持ち、ECUからの信号を補正する(係数をかける)形でインジェクターや点火コイルに送るもので、従来からあるタイプ。もうひとつは、トルクベース制御のエンジンのために考案されたブースト制御タイプのサブコンだ。こちらは、マップセンサーとECUの間に割り込み、ECUに疑似信号を送ることで最適な燃調や点火時期を引き出すというもの。

キャタライザー

排気系チューンでブーストの立ち上がりが変化するターボ車では、とくに排気抵抗が大幅に低減するスポーツタイプのキャタライザーを装着した場合は、 ECUチューンが必要だ

タービン

タービンを大型化した場合は、やはりECUチューンが必要になる。燃料系の容量に余裕があればサブコンでもセッティ ングすることは可能だが、ECU チューンの現車合わせが理想

ラジエター

パワーアップ仕様ではエンジンの発熱量が増えるので、ECUの水温補正やノック補正が働き、出力制限が起きやすくなる。ラジエターなども同時に強化しておきたい

バブリングサウンドチューンとは?

アバルト595ユーザーの間でも最近注目され、人気が高まっているのが「バブリング」。独特の排気音を発することから「バブリングサウンドチューン」とも呼ばれている。これは、アクセルオフの際、本来は燃料カットが作動するタイミングでも燃料 を噴射し続け、エキマニ内で着火させてタ ービンを回し続けるというもので、その後のアクセルオン時にもターボラグなしで加速できることから「アンチラグシステム」、または「ミスファイアリングシステム」とも呼ばれている。バブリングはECUのデータ変更で作動させることが可能になるので、ECUチュ ーンのオプションとして設定しているショ ップもある。オーナーのみなさんは、一度は「あのサウンド」を試してみたいのではないだろうか?

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